ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、1年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。 ノロウイルスは手指や食品などを介して経口感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。 近年の食中毒発生状況をみると、ノロウイルスによる食中毒は患者数では第1位となっています。 特に飲食店営業者の方はノロウイルスの特徴と予防対策をよく知って、食中毒防止、二次感染防止に努めてください。 |
1 | ノロウイルスによる食中毒について | |
@ | 発生時期、本県の発生状 | |
11月から5月にかけて発生、特に1月〜2月の寒い時期に発生が多く見られます。
平成19年…発生件数8件(全発生件数 25件) |
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A | 症状 | |
潜伏期間は24〜48時間。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、吐き気などで、これらの症状が1日から2日間続きます。 感染しても発症しない人もいます。 |
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B | その他の特徴 | |
ノロウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルス(10〜100個程度)でも発症。 | ||
2 | 感染経路 | |
@ | 汚染されているカキ貝などの二枚貝を生のまま、または加熱不十分な調理状態で食べた場合 | |
A | 感染した人が十分な手洗いをしないで調理して食品を汚染し、これを食べた場合 | |
B | 感染した人の便や吐物を介して人の口に入る場合(患者の便や吐物には大量のウイルスが存在します) | |
C | 乾燥した便や吐物が空中に浮遊し、その中のノロウイルスを吸い込んだ場合 | |
3 | 予防方法 | |
@ | 手洗いを十分に行うこと |
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石けんでていねいに洗浄する(特に、トイレの後、調理前などの手洗い徹底)。 | ||
A | 調理器具、調理台を洗浄・消毒すること | |
エタノールや逆性石けんはあまり消毒効果はありませんが、加熱や次亜塩素酸ナトリウムは効果があります。 まな板、ふきん、包丁などは洗剤などを使用し十分に洗浄した後、熱湯消毒を行う(85℃以上で1分間以上)か、または次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。 |
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B | カキ貝は十分に加熱すること | |
カキ貝を生で食べることは控える。内部までしっかり加熱(中心温度が85℃1分以上)すること。また、カキ貝を調理した後の調理器具は洗浄・消毒を行い、手は十分に洗浄します。 | ||
C | 下痢や嘔吐などの症状のある人は、食品に直接触れる業務に従事しないこと | |
通常7日〜10日間、便からウイルスが排出されます(長いときは1か月程度ウイルスの排泄が続くことがあります)。 | ||
D | 便や吐物の取り扱いに注意すること | |
使い捨ての手袋とマスクを着用し、便や吐物を静かに取り扱い、ビニール袋に密閉して廃棄します。汚物の処理は素手では絶対に行わないこと。床等を次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度200ppm)で浸すように拭き取り、その後水拭きします。拭き取りに使用したペーパータオル等はビニール袋に密閉して廃棄します(廃棄物が十分浸る量の次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい)。 | ||
E | 飲食店営業者の方へ | |
カキ貝を生で提供することは控える。また、調理従事者がノロウイルスに感染した場合は、調理を通じて大きな食中毒につながる可能性があります。調理従事者自身もカキ貝を生で食べることは控えましょう。日常の健康管理が大切です。 |
※本ページのPDFファイルはこちらから(カンピロバクター編も入っています)
その他ノロウィルス関係リンク
1 厚生労働省
「ノロウイルスに関するQ&A」(H21.12)
2 国立感染症研究所感染症情報センター病原微生物検出情報(厚生労働省ホームページへ)
3 石川県健康福祉部健康推進課
石川県感染症情報ホームページ
4 日本食品衛生協会
ノロウイルスによる食中毒